皮下脂肪と内臓脂肪の違いは?
皮下脂肪と内臓脂肪は共に身体の脂肪を指しますが、何処に蓄積するかによって呼び方が違ってきます。
前者は文字通り皮下、つまり皮膚の下に蓄積していて、身体を外部の衝撃などから守っています。
具体的には、角質層などの表皮の下に真皮があり、更にその下に皮下脂肪が存在している形です。
一般には男性よりも女性の方がこの脂肪の量は多いとされ、衝撃に加えて寒さからも保護する役割があるといわれます。
いわゆる脂肪吸引で取り除けるのは皮下脂肪のみなので、外見を変えることはできますが、生活習慣病の改善に期待するのは難しいです。
対して、内臓脂肪はその名の通り、内臓に蓄積するタイプの脂肪で、カロリーの摂取量が多いと蓄積しやすくなります。
お腹がポッコリ出ている人は、実は皮下脂肪よりも内臓脂肪が多く蓄積している傾向で、生活習慣病の発症や悪化が懸念されます。
しかし、食生活が反映されやすかったり、ダイエットで効果が現れやすいのもは内臓脂肪です。
その理由は細胞の大きさの違いで、1個あたりの細胞が小さく代謝されやすい特徴にあります。
食事制限やカロリー摂取量を見直すと、最初に消費が行われますから、蓄積しやすい代わりに減らすのも割と簡単です。
皮下脂肪と内臓脂肪は、腹部にCTスキャンを行うと、ハッキリ境目を見ることができます。
これによってそれぞれの脂肪蓄積量が分かるので、体脂肪率の割合や生活習慣病のリスクも判明します。
二の腕や太ももなど、ダイエットに取り組む人達はこれらが気になりがちですが、健康を考えるならお腹周りなどの方が重要です。
というのも、糖尿病や高脂血症に脂質異常と、痛風に心筋梗塞や脳梗塞、そして脂肪肝と動脈硬化を引き起こすリスクとされているからです。
皮膚の下につく脂肪は、見た目に影響しても健康のリスクは高めにくいので、美容以外ではそれほど問題にならない傾向です。
上半身よりも下半身が太く見える人は、内臓の脂肪に対して皮下の割合が多く、下半身が大きく見える結果に至っています。
このように、脂肪は脂肪でも蓄積する場所で色々な違いがあって、どちらも見た目を左右しますが、健康リスクには差があるわけです。
細胞の大きさ自体も異なるので、蓄積する部位だけに留まらない差があるといえるでしょう。
違いを知って理解を深めれば、美しさや健康を手に入れたり保つヒントが分かるので、これらの知識を得ることが肝心です。
大切なのは、身体の仕組みに関する知識を増やして、それを自らに役立てることにあります。