頻尿の原因とは?

 

「頻尿(ひんにょう)」。

 

尿が近い、尿の回数が多い症状を「頻尿」と呼びます。

 

でも、1日どのくらいの回数なら頻尿に該当するのでしょうか?

 

実は、頻尿には定義があり、一般的には朝起きてから夜寝るまでの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。

 

しかし、排尿回数は個人差があります。だから、厳密には1日8回だからといって必ずしも回数が異常とは言えません。

 

たとえ8回以下でも、自分で排尿回数が多いと感じている場合は頻尿といえます。

 

頻尿の原因とは?

 

さて、頻尿の原因とは何でしょうか?実は1つではなく、複数の原因が考えられます。

 

大きく分けると

 

・過活動膀胱
・残尿
・多尿
・尿感染・炎症
・腫瘍
・心因性

 

に分けることができます。1つずつ見ていきましょう。

 

(1)過活動膀胱

 

これは膀胱にまだ十分におしっこが溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮してしまい、急におしっこがしたくなって我慢ができなくなり(尿意切迫感)、トイレに何回も行くようになります。

 

過活動膀胱は40代以降、男女ともに急上昇して増加していき、日本では実に1000万以上の方が患者に該当するとされています。

 

膀胱が勝手に収縮する現象は、脳卒中やパーキンソン病など脳や脊髄の病気、前立腺肥大などの排尿障害のために膀胱が敏感になる、などの原因で発生します。

 

他にも加齢による老化現象で起きたり、基礎疾患もなく原因が不明のまま起きたりします。

 

尿が間に合わず漏れたりすることもあり(切迫性尿失禁)、1回の排尿量は少なくて何回もトイレに行くようになります。

 

(2)残尿量の増加

 

残尿とは排尿後も膀胱の中に尿が残っている状態のことをいいます。

 

前立腺肥大などの症状で尿道が圧迫されると尿排出障害が進行し、残尿が発生します。

 

また膀胱を収縮させる神経というものがあり、これが糖尿病、腰部椎間板ヘルニア、子宮がん、直腸がんの手術で障害されると膀胱がうまく収縮できなくなり、尿排出障害を引き起こし残尿が発生します。

 

膀胱の中に常に残尿があると、尿を溜められるスペースが減少するため、1回の排出量が減り、その分、何度もトイレに行くようになります。

 

(3)多尿

 

多尿とは1日の尿の量が著しく増えた状態のことを言います。

 

1回の排尿量は150~200ml以上が正常とされますが、膀胱や尿道に問題がなくても、糖尿病などの病気、水分の多量摂取、薬剤(利尿剤)により尿量が増加すると頻尿の原因になります。

 

(4)尿路感染・炎症

 

膀胱炎、前立腺炎などの尿路感染が起こると、膀胱の知覚神経が刺激されて頻尿になります。

 

膀胱に慢性の炎症を起こす間質性膀胱炎は原因不明の病気ですが、長期間、頻用が続き、膀胱に尿が充満すると下腹痛を引き起こします。

 

(5)腫瘍

 

膀胱がんの場合、主な症状は血尿ですが、膀胱刺激症状として頻尿がみられることがあります。

 

(6)心因性

 

膀胱や尿道の病気もなく、尿量も問題ないのにかかわらず、トイレのことが気になって何回も行ってしまう状態です。

 

あくまで心因性なので、就寝してしまえば排尿のことを気にすることがないので夜間頻尿はないことが多いです。

 

また起床時の朝の排尿量も正常です。